現実にいるのにいない存在
韓国アイドルにハマっている。
美しくて、可愛くて、面白くて。
子犬のようにグループでたわむれている姿を微笑ましく思い、ネット上に彼らの姿を探した。
毎日毎日…
そして沼に落ちた。
好きだけれど現実では決して会えないし、付き合える訳もなく、アイドル商法が頭にチラつき、「愛してる」と簡単に言う彼らのことを憎みそうになる。
でもいっそ憎めたらどれほどスッキリするか。
家族を看取ってから、少し食事が摂れない時期が続いていた。
空腹は感じるのに、スーパーで何を買ったら良いか分からなかった。
何も食べたいと思えなかった。
無理矢理食べていたが、体重は落ちていった。
そういう時に、件のアイドルに出会っている。
つまりは何でも良かったのだ。
宗教でも、アーティストでも、アイドルでも、キャラクターでも、彼氏でも何でも。
私はただ拠り所が欲しかった。
そこにアイドルが入ってきただけ。
この先も推すかどうかは疑問。
だって、幸せだと思えることも多いけど、あまりに不毛で苦しい。
実生活にも影響が多少なりと出ている。
手放せるか?
分からない。
一番苦しかったのは拠り所すらなく、ただ眠るしか出来なかった時期だから…
早く死にたい。
思考の隅で私がそう囁く。
考え方のクセだ。
分かっているけれどやめられない。
解放されたいから。
逃げたいから。